家づくりに重要なパッシブデザインとは

「パッシブデザインってむずかしそうですが、私でもわかりますか?」

多くの施主様からいただくセリフですが、安心してください。

こちらの記事では、家づくりに重要なパッシブデザインについて解説をしていきます。

お問合せいただき、初めて図面を目にする施主様は「こんな提案は、はじめて!」と驚いた表情を見せてくださいます。この記事を読んだ後には、ぜひ目を瞑って、理想の暮らしを想像してみてください。

パッシブデザインとは

「パッシブデザイン」とは自然エネルギーを最大限に利用・活用し少ないエネルギーで快適な空間・暮らしを実現するための住宅などの設計手法・考え方のことです。

できるだけ機械設備や沢山のエネルギーに頼らず、自然の力である太陽の光・熱 、風 、雨水 、大地等のもつエネルギー・性質を利用し、建築的に理にかなった工夫を施し、利用・調節する家づくり。

実は日本の古来から存続している建物はこの自然の力と性質を最大限に活かしています。

現代ならではの選択肢を新たに加えつつも、日本の風土・気候にあった建築要素を活かしていく。

さらに身体や肌になじむ自然素材を用い、健康的で快適な生活空間にしていきます。

SDGsの観点からも、できるだけリサイクル、リユースできるものや土に還る自然由来の素材を使うことで、廃棄処理にかかるエネルギーを減らせます。

カラダにも地球にやさしい建て方がパッシブデザインなのです。

トス設計のパッシブデザイン

実際にお客様に提案する基本設計図面では、上記のようにその敷地の持つ風の流れを書き込みます。

間取り図を見て、開口部からどのように風が流れるのか、というイメージをしていただくのです。

ではこの図面はどのように書いているのか。

トス設計では常に現地に赴き、時間帯ごとに日照時間、陽の入り方、風の方向を読みます。

パッシブデザインは、世界にひとつだけの完全オーダーメイドな住宅なのです。

パッシブデザインのメリット

パッシブデザインで建てられた家は、できるだけ人工的なエネルギーに頼らず、家中の室内の温度を温度差なく同じように保ちながらも”燃費良く”を目指し設計されています。

そのため、あなたが住宅に支払う光熱費のコストを年間単位で累計すると、空調や照明にかかる費用を抑えることができるのです。

パッシブデザインのデメリット

カラダにも地球環境にも優しいパッシブデザインを取り入れようとすると、それぞれ土地の持ちあわせる特性が変わるため、設計者は事前調査を十分に行う必要があります。

個々に合わせるオーダーメイドでの設計となるため、カタログから間取りや設備を選んでいくタイプの家ではパッシブな家を建てることは非常に困難です。

また、一般的にはこれらの住宅を設計するには専門的知識と断熱性、気密性、熱交換による換気方式等、建物の性能を更に高める必要があるため、建築コストは少し割高になります。ただ暑さ寒さに対する家の冷暖房費、いわゆる”家の燃費”は下がってきます。そして何より家中室温が変わらず冬暖かく夏涼しい家が・暮らしが可能となります。

目指すのは、呼吸できる家

トス設計の家づくりで使用しているのは、できるだけ自然素材。

無垢の木や珪藻土・しっくい、オーガニック壁紙、自然塗料、接着剤・その他石油製品を使っていない自然素材と間接照明で光の強弱を創るなんとも柔らかく穏やかな健康的で気持ちのいい空間です。

接着剤やビニールクロスで、表面や継ぎ目を覆いつくした家ではありません。木も壁も空気を吸って吐いて、呼吸しているからです。

実際に10年以上経ったお宅訪問をしても、思わず深呼吸したくなる「木の香り」が漂う心地よい空間です。